今年も始まっております!
『サイコミ』連載への一番の近道!

サイコミ漫画賞2022

今年の漫画賞はオールジャンルOKはそのままに、バトル漫画作品を投稿してくれた・投稿しようとしている方にビッグチャンス到来!

オールジャンルの大賞300万円とは別に、バトル漫画大賞を新設しそちらもなんと賞金300万円!!!

さらにさらに、サイコミトップのバトル漫画家3人が審査してくれるバトル審査員賞も実現しました!!



今回はバトル審査員である、

中尾拓矢先生(黒影のジャンク)
 丸山恭右先生(TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには)
四方山貴史先生(終の退魔師ーエンダーガイスターー)

この3人にインタビューを決行しました

審査員3人のバトル漫画に対する考え方や、漫画賞応募へのアドバイスをお聞きしたので、漫画賞への応募を考えている方、応募したいけど勇気が出ない方はぜひご覧ください。

バトル漫画をこよなく愛するサイコミ読者も必見のインタビューです!

それではどうぞ!!






では早速1つ目の質問からお願いします!
3人が影響を受けたであろう作品の魅力を語っていただきます。

『軍鶏』(画/たなか亜季夫 原作/橋本以蔵)です。
線の選び方がたまらないですね。動きや筋肉を表現する曲線美が、すごくしっくりくるというか、とても洗練されているなぁと思います。
原作のZooさんが『バキ』シリーズが好きで、よく参考にしているんですが、『バキ』って板垣先生の絵柄があってこそ映える表現なので、そのまま使うと『TSUYOSHI』にはハマりません。
そういう時に、『バキ』っぽい表現を『軍鶏』だったらこう描くかな…と変換して描くと、思い通りの表現になることが多いです。
人それぞれ、参考にしたり、目指す漫画が違うと思うので、「自分なりの表現」ってそういったところから生まれる気がします。


1つ目は『NARUTO-ナルト-(著/岸本斉史)です。映像作品のようにアクションが繋がっているところや、個性的なキャラクターと、それに付随する説得力のあるバトルコンセプトが大好きです。
2つ目は『鉄拳チンミLegends』(著/前川たけし)です。間合いや状況説明のコマの表現、細かいアクションシーンでも、読んでいる人が絶対に迷わない技術に脱帽です。


たくさんありますが、バトルに注目して選ぶならば『無限の住人』(著/沙村広明)、『ヴィンランド・サガ』(著/幸村誠)、『ワンパンマン』(原作/ONE 漫画/村田雄介)が特に好きです。
『無限の住人』はとにかく流れるようなアクションの演出が超カッコよくて、特に187話の船の上の戦闘は何回読んでも鳥肌が立ちますね。
『ヴィンランド・サガ』は絵がものすごく緻密なのに、アクションの際の〝衝撃〟といえばいいんでしょうか。たまに読んでいるこっちが殴られるんじゃないかと錯覚するような迫力のある画面で、昔から憧れています。
『ワンパンマン』もアクションのカメラワークや演出が神がかってるんですが、こちらは実際の人間にはできないような技も超リアルに見せてくれるところがいいですね。あとデジタルを駆使したエフェクトも本当にすごい。
ちなみに今回はアクションに注目しましたが、3作品ともストーリーもめちゃめちゃおもしろいです!




未読の方はぜひともこの機会に挙げられた作品を読んでみてください!
次は、バトルに魅せられた3人だからこそ聞きたいコチラの質問です。

読んでいて気持ちのいいもの。言語の壁を超えて、漫画やキャラクターの魅力を広く伝えてくれるものですかね。




表現の幅が広がる点だと思います。
ギャグや日常シーンだけだと絵で遊べる幅が狭いので、印象に残るポーズやカットを描くのは、やや難しいです。バトルシーンを入れることで、アクロバットなモーションも描けますし、面白い角度や画角で描くことや、キャラクターを思う存分に動かすこともできます。絵で勝負できる機会があるのは、やり甲斐にも繋がっています。


魅力の前に、僕にとって漫画にはバトルがあるのが「普通」だったんですよね。昔から漫画の終わりは良い奴が悪い奴を見開きで殴って終わるのが漫画なんだって思ってました。今でも割とその傾向があります(笑)。だからバトルを入れずに話を成立させられる人って本当に尊敬します。
魅力はやはり、分かりやすくハラハラしたり、スカッとできるところですかね。共感できるキャラが悪い奴を殴り飛ばしてくれるとスカッとしますし、悪い奴が強力な〝暴力〟を使って追い詰めてくれば否応なしに怖いですし。
あと、かっこいい。かっこいいアクションってやっぱりかっこいいですよね!





続きまして、バトル漫画を描き続け持ちえた〝こだわり〟をお答えいただきたいです。

僕の場合は「重力」ですね。バトルって突き詰めればほとんどが、とあるベクトルの力を何かにぶつける行為の連続だと思うんですよ。僕はそれを「重力」って言ってるんですけど、気持ちのいいバトル漫画ってその重力の使い方が上手いんですよね。
口で説明するのは難しいんですが、さっき挙げた『無限の住人』などがこの重力の使い方が神がかって上手いので、ベクトルに注目して読んでみてもらえると何か発見があるかも知れないですよ!


アクションの繋がり、スピード感、テンポなどに注意してます。
格闘ゲームのコンボのように、ページをめくるごとにアクションを積み上げていき、それによって得られる高揚感。それを読者と共有出来るようなバトル漫画を描きたいです。まだまだ足りないところだらけですが、精進し続けます!



「伝えたい事がちゃんと伝わっているか」を大事にしています。
例えば「人を殴る」というシーンでも、伝えたいことが「痛い」なのか「威力がすごい」なのか「動きが速い」なのかで表現が変わります。


「痛い」は、攻撃を喰らった刹那の瞬間を描きます。例えば拳が顔にめり込んで変形していたり、血が出ていたり。それを、カメラをブラさずに描く。


「威力」は、逆にカメラをブラして、攻撃の衝撃波を大きくはっきりと描きます。手前を大きく、奥を小さく描いて、奥行きを広く描いてあげることも有効です。


「速さ」であれば、動作の中間の動きをカットして描いてあげたり、背景を黒くして、コマ撮りのように表現したりします。
同じバトルでも、表現の工夫次第で伝わることが全然違います。状況に応じて、今何を一番伝えたいのか見極めることは、よりいいバトルを描くことに繋がります。






お次は、プロとして漫画家を続けてきたからこそ見えてきたコチラをお伺いしたいです。

無理をしないことです。
週刊連載って忙しくて遊ぶ暇もない印象がありますが、実際問題とんでもなく無理し続けて、限界突破を毎回繰り返しているような毎日を送っていたら、まず長期連載はできません。
適度に気分転換を挟み、目の前の仕事を楽しみながら、健康的に生きられる工夫を一番頑張っている気がします。


色んな所で言ってますが、「分かりやすさです。
僕なんかこの傾向が強いんですが、面白い漫画でも読むのが大変だとついつい「明日読もう」と思ってそれっきり読まない、ということないですか?これを回避するために、とにかく読むのがめんどくさくならない漫画になるように気をつけています。
ただ僕はどうもすごい説明したがりで、その上話をまとめるのがあまり得意じゃないので、油断すると説明ばかりで爽快感のない漫画になるので、注意してくれる編集さんにはいつも感謝が絶えないですね。


読みやすさ。
特にサイコミはスマホで読むことを前提とした漫画アプリですので、見開きの使い方やコマの数、セリフの量などに気を付けています。
調子に乗ってセリフをパンパンに詰めるとえらいことになります。






次は皆さんに、新人の頃の気持ちを思い出しながらお答えいただければと思います。

せっかくなので自分の好きなものを描きたいですよね。となるとやっぱり舞台は「世紀末」的なアレですね。『北斗の拳』みたいな。
あまり他人事にしたくないので崩壊した日本がいいですね。そこで身体が一部メカ化した主人公が…そうですね、僕は時代劇とかも好きなので、その主人公が放浪しながら弱い村人とかを助けるんですよ。
あとは村人を困らせる悪代官とかの設定と、主人公の背景やキャラを詰めないとですが、これを本気でやろうとすると月単位で時間がかかるので今はいいや(笑)。


『黒影のジャンク』のようなファンタジー漫画はある程度無茶が効いてしまう世界観なので、制限のある現代を舞台としたバトル漫画を描いてみたいです。




日常ギャグやコメディが描きたいです。
肩の力を抜いて見れる作品が、描いていても楽しいです。





続いては、漫画賞への応募を考えている方必見!コチラの質問です!

頭脳戦。
説明が少なく映像で魅せるようなバトルも好きですが、登場人物の思考を余すところなく魅せる頭脳戦も同じくらい好きなので読んでみたいです!




読後感の良い作品が読みたいです!
ドラマ「半沢直樹」のように、嫌味すぎるキャラが最後とことん悔しい思いをして終わる、気持ちのいい王道展開が大好きです。





爽快感のある漫画です!
これは『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生が言っていたのを昔どこかで読んだんですが、バトル漫画って悪役を殴るところまで持っていくのが大事なんですよね。読者を「頼むからこいつをぶっ飛ばしてくれ」という気持ちにさせてからじゃないと、どんなにかっこいいアクションも全然ノレないものになってしまう。なので、かっこいいアクションを追求するのはもちろんですが、「マジで誰かこいつを殴ってくれ」と思わせるような悪役の登場にも期待しています!







では少し趣向を変えまして、皆さんが漫画家になるまでの経緯を教えてください。

会社員を辞めて半年後にアシスタント先が見つかって、それから約7年間アシスタントをやりつつ賞に応募したり、持ち込んだ先の編集さんにネームを見せたりしていましたが、鳴かず飛ばずでしたね。
連載が決まったのは、僕が個人的に描いていた作品を今の担当さんが見つけてくださり、声をかけてくださったのがキッカケですね。昔先輩に「どこにチャンスが転がってるか分からないから一つのやり方に固執するな」とアドバイスを受けたのですが、本当にその通りでした。
漫画家を目指すキッカケについては正直全く覚えていないのですが、「なれる!」と昔から思ってましたね。根拠のない自信を持つことに関しては自信があります。


26歳までは会社員でしたが、仕事が激務になっていき、半ば現実逃避で漫画を描き始めました。それをネットに投稿し始めたのがキッカケです。
初めて自分の漫画に対する感想をコメントという形で頂けて、とても感動したのを覚えています。
その頃にはすでに今のように、直接出版社の編集者さんが作品を見てくれる漫画投稿サイトがありましたので、そちらで編集者さんに声をかけていただいて紆余曲折あり今に至る、という流れです。


中学生の頃、なんの取り柄もない自分が嫌で見返したかったのと、小畑健先生に憧れたのがきっかけで、漫画家を目指しました。
あの画力に達するには美大に行くしかないと思い、必死にデッサンやりました。牛骨を死ぬほど描きました。
6年ほどアシスタントやイラストレーターなどをしながら、漫画の仕事をコツコツとしていた結果、縁あってZooさんと出会い、連載に繋がりました。
YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=UX-bOnQo7Fc)でも語ってるので、もしよかったらぜひ見てください。
 





続いて、応募者も気になるところだと思われる「サイコミ」の連載環境についての質問です!

非常に作家さんを大事にする雑誌だなというのが、僕が連載を始めた当初から感じていたことです。
原稿料が高いというのもその一つです。はじめに話を聞いたときはちょっと信じられないぐらいに高い原稿料でしたね。
また一度うまく行かなくても、一緒に考えて割と早いタイミングで再び連載をさせてくれるというのも、他の雑誌ではあまりないことではないですかね。本当にサイコミで連載させていただけて僕はツイていました。


ネガティブな意味ではなく、他のアプリより作品数が少ないので読んでもらえる確率が高いです。
あと原稿料が高いところも良いですね!
基本週刊連載ではありますが、スケジュールやページ数などがきつい時には担当さんが親身に相談に乗ってくれるので作家に優しい媒体だと思います。


応募する方が気になる点としては、どの作品も週刊連載であることがあがると思います。ですが実際は、毎週のページ数も相談できますし、無理のないやり方を一緒に考えてくれます。
自分の肌感覚ですが、サイコミは作家のことを第一に考えてくれるところだと思います。






ありがとうございます!現在連載を抱えている3人の貴重なお話でした!
ではそろそろお時間ですので、応募者の方々へエールを込めたこの質問にご回答お願いします!

漫画で描くべきは「感情体験」です。
「設定」や「画力」はあくまでそれを伝えるための要素にすぎません。
なので頭の中で想像するだけではなく、色々なことを実際に経験し、リアルな感情体験をすることが、遠回りなようで一番の近道です!


バトルは迫力があっても、何をやっているのか分からなければその魅力は半減してしまいます。キャラの魅せゴマと同じくらい、カメラを引いてキャラクターの距離感や攻撃の規模感などの状況説明をするコマがとても重要です。
『鉄拳チンミLegends』シリーズにはその基礎の全てが詰まっていると思っているので、読んだことのない方はぜひ一度読んでみてください!


「ネームを最後まで仕上げろ!直すのはそれからだ!」です。
読み直すのも一度最後までネームを切った後にしたほうがいいでしょう。ネームが完成しないうちに色々修正し始めると、気になる点が無限にわいてきて永遠にネームが完成しないし、自分の話を読み過ぎて面白いのかどうか分からなくなってしまいます。あとネームが完成しないうちにペン入れを始めるのもできればやめたほうがいいでしょうね。



 




最後にせっかく3人同時にお話を聞ける機会なので、お互いに質問と意見交換の場を設けられればと思います!!

==中尾先生から丸山先生への質問==

==四方山先生丸山先生への質問==

==丸山先生から四方山先生への質問==

==中尾先生から四方山先生への質問== 

==四方山先生から中尾先生への質問==

==丸山先生から中尾先生への質問==
インタビューは以上でございます!ご協力いただき本当にありがとうございました!

ここまで読んでいただいた方々いかがだったでしょうか?

どの作家さんも自分なりの〝こだわり〟を持ってバトル漫画の連載に挑んでいました。


サイコミ漫画賞は決して敷居の高いものではありません。

より多くの方々の挑戦と、自分だけの〝こだわり〟や〝好き〟を詰め込んだ作品をぜひ見せてください!

もちろんバトル漫画だけではなく、
オールジャンル大歓迎です!!

サイコミ漫画賞2022の締め切りは11月14日16時まで!
完成原稿不要で応募可能なのでまだまだ間に合います。

コチラをクリックして漫画賞特設サイトの詳細をご確認ください。

また
サイコミ漫画賞公式Twitterアカウントでは、より多くの連載作家陣に漫画制作のコツやアドバイスを一問一答形式でお答えいただいております。

ぜひチェックしてご自身の力に、そして応募のやる気に繋げてくれればとても嬉しいです!!



「サイコミ」は皆さんの力作を心よりお待ちしております!!